光による脱毛を受ける際に、「どれだけの痛みをガマンするの?」と言った話題がたびたび聞こえてきますよね。
ある脱毛サロンやクリニックでは「痛みに耐えてこそ効果が出るんです!」と言っているところもあれば、「うちは無痛脱毛だから安心ですよ!」と真逆のことを言っていることもあるようです。
「いったい全体、本当のところはどうなんだー!」
と思っている方もたくさんいるかと思います。
そこで今回は、「光脱毛による痛みと効果」について解説してみたいと思います。
◆そもそも痛みはなぜ生まれるの?
人が「痛み」を感じるのは、体中に張りめぐらされた神経のどこかで「刺激」を受けた際に、それを電気信号によって脳に伝わり「痛い!」と言うシグナルを出しているからなんです。
つまりは、痛みを感じることで「身の危険があるかも!」と本能的に警告しているんですね。(ヒトのカラダって本当にすごいですね~)
◆光の刺激って何ですか?
では、ここから「光脱毛による刺激とは何か?」について考えてみましょう。
まず、光(IPL)というのは「特定の物質にあたると熱に変換する」と言う性質を持っていることを知っておきましょう。(詳しくは、「IPL(光)は何が優れているのか?」のコラムで解説していますので参考にしてみてください)
この特定の物質の中に「メラニン(色素)」が含まれています。
光脱毛のメカニズムは、毛の中に含まれるメラニン色素と言う物質に光を届けることで、それが「熱」に変換され、毛の生成組織にダメージを与えて機能を減退化させるというものです。その時に発生する「熱」が「刺激」となって「痛みを感じる」というわけです。
◆結局は「痛い」ってことでしょ?
「熱」という刺激をカラダが受け止めるかぎり、「痛み」がともなうのは人の備わった大切な機能ですので仕方ありません。しかし、ヒトが受け取る痛みの感じ方は本当に個人差があり、同じ光の熱量でも「痛ッ!」と感じる人もいれば、「全然へっちゃら!」と言う人もいます。
この痛みの差は、個々人が持つ痛みへの感受性もありますが、それ以外にも肌の色だったり、毛の質や量、施術する部位によっても感じ方は違います。
◆脱毛に「痛み損」もありうる!?
よく比喩される光脱毛の痛みは、「輪ゴムでパチンと弾かれた感じ」と表現することが多いようです。(当店でも説明によく使っています)
まぁ程度の問題もありますが「輪ゴムで…」の痛みは、「脱毛のための効果的な痛み」の許容範囲と捉えています。
しかし!
それを過度に超える痛みをガマンすることは危険で、最悪ヤケドに繋がる場合もあります。ですので、「出力を上げないと効果はでませんよ!」なんて単純に言っているところで光脱毛を受けてしまうと、いつかは痛い目(ヤケド)に合うリスクが高いので注意が必要です。
一方で、ある程度の痛みとヤケドのリスクを覚悟すれば必ず効果が出るのか?と言ったら、そうとも言えません。なぜならば、「痛み損」もあるからです。
そもそも光脱毛で一番痛みを感じる場所はどこだかご存知でしょうか?
それは「表皮」なんです。
前出で、脱毛のメカニズムは「毛の中に含まれるメラニン色素に光を届ける」と言いましたが、せっかくの光エネルギーが表皮に吸収されてしまっては痛みが倍増するだけでなく、脱毛効果も半減してしまうんです。
それが、「痛みのガマンに見合った効果が得られない」、つまりは「痛み損」に繋がると言うわけです。
◆痛まず脱毛効果を最大化する方法は?
それでは、光脱毛で痛みを少なくさせる方法はあるのでしょうか?
答えは「YES」です。
それは、単純に光のパワー(出力)を下げて照射することです。
しかし、単純にパワーを下げれば「痛み」こそ緩和できますが、脱毛効果が得られるかは別問題です。つまりは、痛まず、脱毛効果を得るためには工夫が必要だと言うことです。
その工夫とは次の3つの方法です。
① 低出力の光を重ね打ちする方法
② 適切な光の波長を調整する方法
③ 適切な光の照射時間を調整する方法
この3つの方法は、どれか一つ工夫すれば良いわけではなく、すべてが密接に関連しているため、どれか一つでも抜け落ちてしまうと脱毛効果への繋がりを弱めてしまいます。
① については、照射のやり方(考え方)になりますが、②と③については使用するマシンの仕様(性能)に依存するところが大きいです。